チキボン
私は長年に及ぶ一人暮らしのせいもあり自炊好きを公言してばはからない、実際、パッスタ、チャーハン、カレー、野菜の炒め、焼きそば!うどん!そば!などのごくごく一般的な一人暮らしレシピはものの10分(カレーは除く)強で作り上げ、蕎麦なんてネギを散らしたよこに柚子の皮なんかを添えたりする余裕もある、煮物だって作る、オリジナルレシピも何個かあるし、余っている食材でパパと来客におつまみを出すことも慣れたものである、なんだこれはただの自慢ブログでは無いかというとそうでは無い
お弁当、、
私はこれを作った記憶がほぼ無い、もしかしたら1回くらいはあるのかもしれない、なんかネギとかだけ切ってカップ麺に入れる用に小さいタッパーみたいのに持っていくとかならある、
しかしそうでは無く、
7:3もしくは6:4にわけられた長方形の入れ物や楕円形のものが2段になっていて太いゴムなどで連結させたりして、側面には戦隊モノのキャラクターや少女まんがのリボン、みたいなギャルが描いてあるあの弁当箱、あの箱に茹でた野菜やミートボールなんかを入れてある
世に言う弁当!
あれを作ってみたいと思った。
思えば私は、普段自炊を良くするから、と少し威張っていた様に思う、ふん、お前自炊もしないのか、その歳にもなって自炊もしないなんて、かわいそうな奴、寂しい奴、栄養のバランスの偏りは心のバランスが偏っている証拠、などとどこかで自炊をしない人を童貞を小馬鹿にする感じで見ていたところとかあったと思う、反省している。
そうやって自炊しない人を小馬鹿にしている傍でもう1人の自分、お弁当童貞の自分は震えていた
お弁当の事を聞かれたらどうしよう、、
「お前弁当童貞かよ!ヒャッハー!」
「弁当も作った事無い奴の自炊て、、」
「なんか臭い、、、」
ああ、嫌だ、だから言わんこっちゃ無い、いい気になれば必ずしっぺ返しがくる、いい気になってもしっぺ返しのこない世界に行きたい、それは東京でSNS何かで時間を潰したりしてる人間には永久に無理な気がする。南の島とかそういうところで調子に乗っていたい、いかだに乗っていたい
人々は孤独だ、孤独な人同士が揚げ足を取り合って傷つけあっている、虚しい。
心に余裕がある人は他人に牙など向かないのだ。
などと考えていたら何としてもお弁当を作らなあアカン!どげんかせんとイカン!頑張ろう!ニッポン!
ってなったんだけど何しろ童貞である
どこに何を入れたらいいのか皆目見当がつかない、恥ずかしい、、もっと本とか読んでおけばよかった
そういうわけでお弁当といえば便利なものがあるじゃん、そう、冷凍食品である。
シナシナになったコロッケ、プラスチックみたいなベジタブルミックス、脂の基地みたいになってる唐揚げ、どうもイメージが悪いがそれは私が童だったころの時代の話である。今はセブンイレブンブランドなんかが出しているお惣菜はたいそう美味いのだ、そうやってお弁当の事を考えているがやはり何か足りない、心に穴が空いたまま戻らない感じがある、それはそうチキボンである、チキボンが何かの説明は省く、チキボン無き弁当は弁当にあらず、チキボンが本当に鶏なのか、何鶏なのか、あんなブヨブヨのぐにゃぐにゃの鶏なんているんだろうか、そんな事を思い出しているうちに時計は夕飯の時間を過ぎていた。
今からチキボンだけを買う為にスーパーに行くのも億劫だ、あー、何なら晩飯作るのもめんどくさくなってきたな、、鯖缶で一杯やりながらYouTubeでも見て風呂でも入るかな、そうやって堕落して今日も俺は弁当を作らないのであろうか、くぁ〜情けない!何て言いながら最近発売された檸檬堂のレモンサワー、いやー非常に美味いね、チキボンがあったら最高だね、なんて思う。