デス飯

時々食欲のバケモノが憑依する事がある

大量に何か食物を食べたい、とかそういう欲求では無く、瞬間的に腹が減り今すぐに何か食わないと大声で叫んだり倒れたりしてしまいそうになる衝動にかられるのだ

そういう瞬間というのはすぐにサッと食える惣菜パンなんかの類が一番いいんだが運良く惣菜パンをいつも買っている、というわけでも無い

とはいえ事は緊急を要しているので調理などしている時間は無い、カップ麺なんて待ってられないのである、またこの症状に限り味が濃ければ濃いほど、ジャンクでエクストリームであるほど良い、美味しいとかはぜんぜん今求めて無いのだ

時々運がいいと米だけは炊いてあった、みたいな時はある、米が炊いてあれば話は早いまずは椀に米をよそう、味が濃ければと言ったがじゃあ醤油ぶっかけて食えよ、ってなるがそれは流石に病気になってしまいそうだ、とはいえ余り考えている時間は無い、早くこの飯を効率的にジャンクな味付けで迅速に摂取しなければわたくしという人間はどうなってしまうかわからない、その寸前まできている

冷蔵庫をフルオープンしてまず目に入ったのはマヨネーズである、そしてバター、ここで俺は二択を迫られる、マヨネーズは確かに万能、何にでも合うと言えば合う、しかしバターの濃厚な脂感は捨てがたい、だがもう一品何か組み合わせたい、と考えた時応用が効きやすいのはバターでは無くやはり万能なマヨか、バターと醤油で頂くバターご飯と言うのも捨てがたいがせっかくなら冒険したい

単品の威力としてはバターに軍配が上がるが今回は複合技を加味してマヨネーズだ(ここまで10秒)

とりあえずマヨをご飯にぶっかける事を決定する、時間が刻一刻と迫っている

マヨネーズを右手で冷蔵庫に戻すアクションと同時に俺は高菜の漬物を左手に持ちラップを口で剥がす、そしてスプーンで大盛り一杯に取った高菜をマヨご飯にイン!すかさず一味のフタをあけ躊躇せず爆がけ!味が寂しくなる可能性を示唆してその上から麺つゆを放射!

そのまま台所に立ったままで即座に口に掻きこむ!俺の全身をデス飯が駆け巡る(全工程1分)

ただこれはご飯が炊いてあった、という幸運に巡り会えたことが大きい

そしてなぜこんな日記を書いているかと言えば先ほど俺の食欲モンスターが暴れ出しまたデス飯を食う事態に陥ったからである

とにかく俺のデス飯欲求は突如やってくる、それがたとえ睡眠中であろうとお構い無しだ、突然の空腹に襲われた俺は布団から飛び起き

ははは、誰か殺してくれ、

とうすら笑いを浮かべながらキッキンへ

残念ながら今回米は炊いていないが食パンが一枚だけ余っていた、よしとりあえずこいつを土台にしよう、と決定する事態は急を要するので焼いている時間は無い、ひとまず冷蔵庫を開けるが今回は運悪くのせる具が見当たらない、具なしの調味料だけで何とかする方法も考えたがそれはとても寂しい、俺はとっさに閃き部屋に音速で引き返しキャベツ太郎を発見した、昨日YouTube見ながらつまんでいた残りである、キッキンと部屋の行き来でかなりのタイムロスをしてしまったが具が見つかった事はデカイ、躊躇なくキャベツ太郎をパンに挟む、開けっ放してあった冷蔵庫から中濃ソースを取り出し躊躇無く噴射!更に追い討ちのマヨネーズ!そのまま口の中にイン!

今日も俺はこのモンスターの怒りを鎮めたのである(ここまで1分半)

更にひどいとき

つまり米やパンなどの圧倒的な主役、屋台骨が無い場合という時もある、この場合は最も過酷な闘いを強いられる

とにかく味が濃く、一撃で暴れる欲望を撃退できればいいのだ、ある時は目につく限りのものがネギしか無かった、何度も言っている通り時間が勝負である、調理の時間は無い、幸い我が家は調味料だけは豊富である、速攻で柚子胡椒の瓶を開けそのままネギを一本柚子胡椒瓶にぶっ刺し更に瓶にポン酢をブチまけかき混ぜ、一気に口に放り込む、バチバチにバチ決まった俺は快感に打ち震え膝から崩れ落ちた

その後もポン酢一気飲み、ハチミツチュッチュなどありとあらゆる手を使って俺は闘ってきた

 

何度も言うが味の美味しさは1ミリも追求していない、なんなら自分はちゃんと自炊する方である

だが自分の体内で暴れるデス飯を求めるモンスターがいる限りこの闘いは続くだろう

一度カレールーをそのままかじってみようか、と思ったが、流石に思いとどまった

 

なんか体に悪い気がしたから