美しい

石鹸を泡立てている時間が馬鹿馬鹿しい、そうしっかり思った事は無いが、たぶん無意識下でそう思っていると思う、手を洗いながら小さくなった石鹸の破片が溢れる石鹸受けを見てそう思った、こういうところだ、小さくなった石鹸を使い切るでも捨てるでも無く何となくそこに放置し、気にも留めない、こういった生活のいい加減さ、それを気にも留めようとせず放置するところ、その積み重ねがタールのように溜まっていき剥がすことのできない汚れとなって心に闇を落としている

ブログも書きっぱなして途中でやめた下書きがギャンギャンに溜まっている、消せばいいんだが、なんだか貧乏性でせっかく書いたんだからといつか公開しようと心のどこかで思っていて、消すこともかなわない、では書き足して完成させればいいのだけどブログでも曲の歌詞でもなんでもだが感情はとても腐りやすい、読み直せば読み直すほど、ふん、馬鹿馬鹿しい、こんなものを人様に見せてなんになるんだ恥ずかしい、まだこんな飯を食ったよ、とか空が綺麗でした〜、みたいな、内容が一切無いみたいな、アイドルみたいな、ブログを、書いた方が?マシだった?と落ち込み

しばらくブログを書くのをやめよう、なんて事になってしまう

だからそれも溜め込む意外に何もできない

洗い物も洗濯物も常にシンクから、洗濯機から消える事は無い、一回あまりにも洗い物が嫌いすぎて食器を無くしてしまおうかと思って割ってみたが、すぐにこれは違うだろ、と思ってやめた、割れる音も怖かった、なんか破片で手とか切れたりしたら痛そうだし

その後割った食器をどうしていいかわからずとりあえず紙袋に入れたが、何ヶ月も紙袋に入ったままキッチンの隅に置かれていた、悲しかった、酔っ払った時にムカついてその紙袋に怒鳴ったりしていた

洗濯物に関しても服が多すぎる、という諸問題があるのはわかっているんだけどティーシャツとかタオルとかは、こんなんなんぼあってもいいですからねえ、と思っていたのでどんどん増え、うず高く積み上がっていってしまい、1回の洗濯では減ったかどうかすらわからない、いっそ洗濯機ごと爆砕して洗濯という概念そのものを無くしたいと思っていた

昔対バンしたバンドが洗濯機をライブ中に破壊するというパフォーマンスをしていて、当時は彼らのパフォーマンスは理解できなかったが今なら素直な気持ちで見れる、なんなら参加したい

こういうところ、こういうただ暮らしているだけで変なイライラを溜め込んでしまうところ、そこに自分は気付かなかった、アホなんだと思う

いらぬものはサッと捨て最短最速で目的を遂行しスッキリした生活を送りたいと心から思った、ある晴れた日

 

しかしどうなんだろう、そうやって溜め込む事に目くじらを立ててピリピリしながら生きていってしまうとそれはそれで面白くなさそうだし、細かい事ばかり気にする嫌なおじさんになってしまいそうなのであまり考えない事にした

 

綺麗な景色とかを見たら気分も変わるだろうかと思ったがココは東京にほど近い神奈川の工業地帯だ、いい事は無いし休日は暇だし歩けど歩けど同じ住宅街である、虚しい、こんなところで生きていていいのだろうか、もっと山や川や海を見て感動したい、そう思いながらジャンクフードを酒で流し込んでいる、墜落

 

結構昔、まだフールーやネットフリックスが無かった時代、トムとジェリーとかヘッケルってゆうカラスが暴れて色々壊したりする、おそらく版権の切れている古いアニメを100均で売っていた、ついガラクタを集めてしまいがちな俺は何も考えずに買い物途中でそれを買い、ぜんぜん無感情でそれを見た、思ったよりも話がいっぱい入っていて全部見るのは疲れるな、と思って停止ボタンを押した、メニュー画面は無音でトムとジェリーの仲良さげな姿と簡素なメニュー画面があった、たぶん僕はそのメニュー画面をつけたまま寝てしまったと思う